初期研修
1-1.必修研修
1年目は全員3ヶ月毎に1または2病棟を研修する。常時、6~10床の受持医となり、直接の指導医(助手または医員)の指導を受ける。原則として、病棟に専念して研修する。患者及びその家族とのコミュニケーションに留意し、疾患に対する理解、検査や治療に対する協力を得ることを心がける。
他の医療機関の協力や他科医師からのコンサルテーションを得られるように努力し、患者のケアを効果的に進めることができるようにならなければならない。
GIO(一般学習目標)
ひとりの患者を全体的に診ることができる視野を備えるために、一般臨床医の基本となる内科全体にわたる知識と技能を身に付ける。
SBO(個別学習目標)
総合診療部も含めた6ヶ月に内科分野別にあげた個別学習目標をできるだけ多く達成する。
腎臓内科
- 尿蛋白、血尿、多尿、欠尿の鑑別診断ができる。
- 浮腫の鑑別診断、治療ができる。
- 脱水の治療ができる。
- ナトリウム、カリウム、カルシウム異常への診断アプローチ、治療ができる。
- 酸塩甚平衡異常の鑑別診断、治療ができる。
- 尿検査(試験紙法、沈渣法)を自分で施行、評価できる。
- Selectivity index,FeNa値を評価できる。
- 腎機能検査を評価できる(内因性クレアチニンクリアランス)。
- 免疫学的検査を評価できる(免疫グロブリン、血清補体価、自己抗体、ASO/ASK)。
- 内分泌検査を評価できる(レニン、アルドステロン、抗利尿ホルモン)。
- 腎生検の適応を決定し、病理所見のおおまかな評価ができる。
- 画像診断腎エコーを自分で施行、評価できる。
- 以下の腎疾患を理解している。
(chance proreinuria/hematuria,急性糸球体腎炎、慢性糸球体腎炎、急性腎不全、慢性腎不全、ネフローゼ症候群、糖尿病と腎障害、膠原病と腎障害、薬剤性腎障害)
後期研修
期間
- 腎臓内科医としての基礎的知識・技術の習得を目標とする初期研修:1~2年間
- 腎臓専門医、透析専門医を目指した第2期研修:2~3年間
プログラム参加施設
指導体制
-
佐賀大学医学部附属病院 指導医代表者:宮園 素明
佐賀県立好生館 指導医代表者:中村 恵
佐世保共済病院 指導医代表者:福成 健一
白石共立病院 指導医代表者:實松 麻衣
嬉野医療センター 指導医代表者:野中 康徳
資格
卒後6年目以降に日本透析医学会専門医、日本腎臓学会専門医を取得することを目指す。
GIO(一般学習目標)
- 腎疾患全般"血尿・蛋白尿から腎不全に至るまで"について病歴聴取・検査・診断・治療の方針を系統立てて立案することができる。また、患者さんの全身の状態を把握し、他の医師やパラメディカルスタッフと討議しながら、専門医としてふさわしい医療を実践する能力を身に付ける。
- 腎臓に関する研究を自ら行い、腎臓学の発展に寄与することが出来るようになる。
SBO(個別学習目評)
- 蛋白尿・血尿の鑑別診断ができ、治療方針を立て、治療ができる。
- 水電解質バランス異常、酸-塩基平衡異常の鑑別診断ができ、治療ができる。
- 腎画像診断法を理解し、治療に活用できる。
- 腎生検の適応を決定し、指導医のもとで自ら腎生検を行うことができる。また、腎病理を読むことができる。
- 急性腎不全の鑑別診断を行い、治療ができる。
- 慢性腎不全のステージに応じた治療を行うことができる。
- 透析療法の適応の判断ができ、緊急カテーテル挿入、透析療法施行を行える。
- 内シャント作成術を習得し、指導医のもとでシャント作成の執刀を行うことができる。
- CAPDカテーテル挿入を指導医のもとで経験し、助手を務めることができる。
- 腎臓病学、血液浄化法に関するテーマの研究を行い、研究成果を日本腎臓学会、日本透析医学会をはじめとする国内学会、あるいはアメリカ腎臓学会、国際腎臓学会等の国際学会で発表し、それを論文作成につなげることが出来る。
研修終了後、例として次のようなコースが考えられる。
- 佐賀大学病院スタッフとして、より発展した腎臓内科医を目指して研修を続ける。
(腎炎腎病理、血液透析療法、CAPD療法、血液浄化法など) - 大学院に進学して腎臓病、あるいは関連した基礎的分野の研究し従事し学位取得を目指す。
(大学院進学の時期については場合により初期研修後にも可能。) - 関連病院で腎臓内科臨床の更なる実践と向上を目指す。
(主な関連施設:佐賀県立好生館、佐世保共済病院、白石共立病院、高木病院、古賀病院、嬉野医療センター、富士大和温泉病院) - 留学
定員:2名